リハ職の地方移住転職ガイド|年収・生活・求人の探し方を医師目線で解説

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リハ職の地方移住転職ガイド|年収・生活・求人の探し方を医師目線で解説

「地方に移住してゆっくり働きたい」という声を、都市部のリハ職から聞くことが増えました。

コロナ禍以降、「都市部の慌ただしさから離れたい」「地元に帰って家族の近くで働きたい」「自然環境の中で暮らしたい」という動機からの地方移住転職が現実の選択肢として浮かぶようになっています。

ただし、「地方に行けば生活が楽になる」という単純な話ではありません。年収の変化・求人の実態・地域医療の現場の特性——移住転職に向けた現実的な情報を整理します。


この記事の信頼性について

監修: 現役医師(放射線治療科)
大学病院勤務。地域医療連携・へき地医療の仕組みに継続的な関心を持つ立場から執筆。将来のクリニック開業準備中。本記事は個人見解です。


地方でのリハ職需要:「人手不足=チャンス」の実態

地方(特に過疎地域・中小都市)では、PT・OT・STの人手不足が続いています。高齢化が都市部より早く進む地域が多く、訪問リハビリ・老健・診療所での需要は確実に存在します。

一方、「求人が多い」と「すぐに良い条件で採用される」は別の話です。

地方の施設は規模が小さい場合が多く、「即戦力として採用される」が前提のケースがあります。「1〜2年目で地方移住転職をしたい」という若手の場合、職場のOJT体制の充実度を特に慎重に確認する必要があります。


地方リハ職の年収:下がる?変わらない?

地方への移住転職を検討する際、年収への影響は最初に確認したい点です。

都市部vs地方の年収比較(目安)

職場タイプ都市部の年収目安地方(中小都市)の年収目安差の目安
急性期病院PT380〜450万円320〜400万円−50〜80万円
老健OT350〜430万円300〜380万円−50〜70万円
訪問リハPT380〜500万円330〜430万円−50〜70万円
訪問リハST380〜480万円320〜420万円−50〜80万円

※上記はあくまで目安です。施設・地域・経験年数により大きく変動します。

ただし「生活コスト」を加算すると評価は変わります。

都市部と地方の生活コストの差は、住居費・交通費・食費で大きく現れます。家賃が月5〜8万円下がり、野菜・食材が安く、保育料の地域差もある地方の場合、「年収が50万円下がっても、可処分所得はほぼ同じかむしろ改善する」というケースがあります。


生活コストの変化:「年収マイナス = 生活悪化」ではない

都市部(東京・大阪・名古屋など)と地方の生活コストの差の一例です。

住居費

都市部の1LDK・2LDKは月10〜15万円が一般的な家賃相場です。地方では同等の広さの物件が月4〜7万円で借りられるケースが多く、月6〜8万円の支出減が見込めます。

年間換算では70〜100万円近くの差が出ることがあり、これは年収の差を相殺する可能性があります。

自動車費用

ただし、地方では自動車が生活の必需品になることが多いです。維持費(保険・車検・ガソリン)は年間30〜50万円程度かかることを念頭に置いてください。都市部でカーシェア・公共交通のみで生活していた方には、この「新規コスト」が発生します。

保育料・教育費

自治体によって保育料の負担が異なります。地方の一部の自治体では、子育て支援として保育料の無償化・補助が充実しているケースがあります。移住先の自治体の子育て支援制度を事前に確認してください。


地方移住転職に向いている人・向いていない人

向いている人

  • 地元(出身地)への帰郷を考えている(Uターン転職)
  • 自然環境の中での生活を重視している
  • 訪問リハビリや地域包括ケアへの関与に意義を感じる
  • 「都市部の競争環境から距離を置きたい」という気持ちがある
  • 自動車運転に抵抗がなく、独立した移動を苦にしない

向いていない人

  • 都市部での高度医療・専門領域のスキルを積み続けたい
  • 人間関係の選択肢を広く保ちたい(地方は狭いコミュニティになりやすい)
  • 転職後にスキルアップするための研修・学会への参加機会を重視している
  • 将来的に都市部に戻る可能性を残したい(戻れないわけではないが計画が必要)

地方でのリハ職の仕事の特性

訪問リハビリ・在宅医療の比重が高まる

地方では病院・施設の密度が低く、訪問リハビリが移動手段として車を使いながら行われる形態が多くなります。「1日5〜8件を車で回る」という働き方は、都市部の病院リハと全く異なります。

また、「一人職場」になるケースが地方では多い傾向があります。老健・訪問事業所でのPT1人、OT1人、ST1人という体制は珍しくなく、専門職としての孤独と自律性の両方を持つことが求められます。

地域の「顔になる」という側面

地方の小規模コミュニティでは、「あのリハビリの先生」という形で認知される機会があります。地域住民との深い関係性の中で仕事をすることを「やりがい」と感じる方には、大規模病院では得られない満足感があります。

反面、「プライバシーの確保が難しい」「地域コミュニティの密度の高さに疲れる」という側面もあります。これは向き不向きの問題であり、体験してみないとわからない部分もあります。

多職種の幅広い役割

地方・へき地では「医師・看護師・PT・OT・ST・ケアマネ・介護士がそれぞれ役割をカバーし合う」という体制が生まれやすいです。

「PT だけど、OTの範囲の仕事もする」「自分の専門以外に、看護や介護の作業もする」——専門職の境界が都市部より広く、やり甲斐になる人と戸惑う人に分かれる部分です。


地方の求人を効率よく探す方法

1. リハ職専門の転職エージェントを利用する

地方の求人は、大手の求人サイトには掲載されていない非公開求人が多い傾向があります。特に地方の小規模施設・訪問事業所は、リハ職専門の転職エージェントと繋がっていることが多く、「希望の地域」「希望の施設タイプ」を伝えることで非公開求人を提案してもらいやすくなります。

2. 移住先の自治体のUIターン支援を活用する

厚生労働省の「医療・介護分野のUIターン促進施策」や、各都道府県・市町村の移住支援制度の中に、「医療・福祉職の移住者への支援」が含まれているケースがあります。

支援内容は自治体によって異なりますが、引越費用補助・家賃補助・就職支援など、複数の制度を組み合わせることで、移住コストを軽減できる可能性があります。

移住先候補の自治体の移住支援窓口(地域おこし協力隊・移住相談センターなど)への問い合わせを転職活動と並行して行うことをすすめます。

3. 都道府県の福祉人材センターを活用する

各都道府県の「福祉人材センター」では、介護・医療・リハビリ職の求人を取り扱っています。地元の求人に特化した情報が集まっており、地方移住転職ではここを窓口にする方法も有効です。

4. 現地見学を転職前に必ず行う

「求人票と現地の印象が全く違った」というケースは地方転職で起きやすいです。特に「職場の雰囲気」「地域コミュニティの密度」「通勤・移動の実態」は、現地に行かないと分かりません。

転職先候補が絞れたら、見学・面接を兼ねて現地訪問をすることを強くすすめます。できれば1泊程度の滞在で、周辺の生活環境も確認することが理想的です。


地方移住転職の流れ:ステップ別整理

ステップ内容目安期間
1. 希望地域の選定UIターン先・条件整理1〜2ヶ月
2. 情報収集・エージェント相談求人・自治体支援の把握1〜2ヶ月
3. 現地見学・面接職場・地域の現地確認1〜2回
4. 内定・退職交渉現職の退職手続き1〜3ヶ月
5. 引越・生活セットアップ住居・生活基盤の整備1〜2ヶ月

全体で6〜12ヶ月のスパンで計画する方が現実的です。「急いで決める」よりも「情報を揃えてから動く」ことで、地方移住転職の後悔リスクを減らせます。


よくある質問 FAQ

Q1. 地方転職後に都市部に戻ることはできますか?

できます。地方での経験(訪問リハビリ・地域包括ケアへの関与・一人職場での自律的業務)は、都市部の施設でも評価される経験です。「一度地方に行ったら戻れない」という心理的な壁は不要です。

Q2. 地方での転職はリハ職専門エージェント経由が良いですか?一般の求人サイトでも良いですか?

リハ職専門エージェントをすすめます。地方の施設はリハ職の専門性に関する求人票の書き方が不十分なケースがあり、「実際の仕事内容・一人職場かどうか・加算算定の状況」などは、施設と付き合いのあるエージェントからでないと確認しにくいです。

Q3. 移住支援金をもらいながら転職できますか?

自治体によって条件が異なります。「地方移住した際の就業先として、介護・医療職への就業が対象となる支援制度」が一部の自治体にあります。移住先候補の自治体の移住支援窓口に問い合わせることをすすめます。


まとめ

  • 地方でのPT・OT・ST需要は確実に存在するが、「即戦力前提」のケースが多い
  • 年収は都市部より下がる傾向があるが、生活コスト(家賃・食費)の差で可処分所得は改善するケースも多い
  • 地方移住転職は「自動車費用の新規発生」「一人職場リスク」「地域コミュニティの密度」を事前に把握する
  • 求人探しはリハ職専門エージェント+自治体の移住支援窓口の組み合わせが効果的
  • 現地見学を必ず行い、職場・地域の両方を確認してから決断する

地方での求人探しには、リハ職専門の転職サービスへの相談が効果的です。住む場所も、働く場所も、暮らし方も自分で選び直せるというのは、本来とても豊かなことです。あなたが心から納得できる土地で、地域の人の生活を支えながら、自分自身も穏やかに暮らせる——そんな働き方は必ず実現できます。焦らず一つひとつ確かめながら、あなたとあなたの大切な人がともに幸せになれる選択を、一緒に探していきましょう。


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現役医師プロフィール

現役医師(放射線治療科)。大学病院勤務。地域医療連携・へき地医療の仕組みに継続的な関心を持つ立場から本サイトを運営。将来のクリニック開業準備中。

本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。自治体の移住支援制度・介護報酬は変動します。転職に関する個別の相談は、各転職サービスの担当者またはキャリアカウンセラーにご相談ください。