特別支援学校・通級指導教室で働くSTのキャリアと転職

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特別支援学校・通級指導教室で働くSTのキャリアと転職

「病院・福祉施設だけでなく、教育の現場で子どもに関わりたい」という理由で、特別支援学校や通級指導教室での仕事に関心を持つST(言語聴覚士)がいます。教育分野は福祉分野とは雇用の仕組みが異なるため、事前に正確な情報を知っておくことが大切です。

この記事では、特別支援学校・通級指導教室でのSTの関わり方・雇用形態を、医師目線で整理します。


この記事の信頼性について

監修: 現役医師(放射線治療科) 大学病院勤務。研修医時代からPT・OT・STとの多職種連携を経験。小児期の言語・コミュニケーション発達支援における多職種の役割分担を継続的に観察しています。


特別支援学校・通級指導教室とは

特別支援学校は、障害のある児童・生徒に対して専門的な教育を行う学校です。通級指導教室は、通常の学級に在籍しながら、必要に応じて別室で個別の指導を受ける制度で、言語障害や発達障害のある児童が対象になることがあります。

これらの教育現場での指導は、基本的に教員(言語障害通級指導教室の場合は「言語障害教育」を専門とする教員を含む)が担う仕組みになっています。STが正規の教育職員として直接採用されるケースは限られており、この点は正直に押さえておく必要があります。


STが教育現場に関わる主なルート

関わり方内容
巡回相談員・専門家チームの一員教育委員会からの委託で、学校を巡回し教員への助言を行う
特別支援教育コーディネーターとの連携医療・福祉の立場から学校側に情報提供を行う
会計年度任用職員としての採用自治体によっては年度単位の任用でST資格者を配置するケースがある
児童発達支援センター等からの連携福祉施設に所属しながら、学校との連携会議に参加する

「学校に常勤するST」という働き方よりも、「教育委員会や福祉機関に所属しながら学校と連携する」という関わり方が現実的です。雇用形態・待遇は自治体によって大きく異なるため、求人を見る際は必ず具体的な業務内容と契約形態を確認してください。


主な業務内容

業務内容
巡回相談学校を訪問し、言語・コミュニケーションに関する困難のある児童への支援方法を教員に助言
個別ケースの評価保護者・教員からの相談を受け、必要に応じた評価・アセスメントを実施
教員研修への協力言語発達支援に関する校内研修の講師を務めることがある
医療機関との連携調整医療的なフォローが必要な児童について、主治医や療育機関との橋渡し役を担う

年収水準・収入の目安

雇用形態収入の目安
会計年度任用職員(自治体による)自治体・勤務日数により大きく異なる
委託契約(巡回相談員等)1回あたりの謝金制が多く、常勤収入としては成立しにくい
児童発達支援センター等(本業)+学校連携(兼務)本業の年収(300〜400万円程度)に近い形が現実的

教育現場での関わりのみで生計を立てるのは難しいケースが多く、福祉施設や医療機関での本業と組み合わせる形が現実的です。

※上記は目安です。年収・待遇・雇用形態は自治体・地域によって大きく異なります。最新情報は各自治体・求人でご確認ください。


向いている人・向いていない人

向いている人

  • 教育・福祉・医療をまたいだ連携に関心がある
  • 直接的な訓練よりも、教員・保護者への助言や情報提供にやりがいを感じる
  • 学校という組織の文化・ルールを理解しながら関わることに抵抗がない

向いていない人

  • 常勤・安定した収入を最優先したい
  • 個別の集中的なリハビリテーションを中心に行いたい

転職・キャリア形成前に確認すべきポイント

  1. 雇用形態と契約期間:会計年度任用職員は単年度契約が基本です。継続の可否を確認してください。
  2. 本業との兼ね合い:多くの場合、福祉・医療機関での本業と教育現場での関わりを両立する形になります。
  3. 自治体ごとの制度の違い:特別支援教育の体制・STの配置状況は自治体によって差が大きいため、希望エリアの制度を個別に確認することをおすすめします。
  4. 医療機関との連携ルート:主治医・療育機関との情報共有がスムーズに行える体制かを確認してください。

よくある質問 FAQ

Q1. 学校の正規職員としてSTが採用されることはありますか?

自治体・学校の方針によりますが、STが教育職員として直接採用される例は多くありません。多くは委託契約や会計年度任用職員としての関わりになります。希望する自治体の教育委員会に直接問い合わせることをおすすめします。

Q2. 児童発達支援センターでの経験は教育現場との連携に活かせますか?

活かせます。児童発達支援センターや医療機関でSTとしての経験を積みながら、学校との連携会議や巡回相談に関わる機会が生まれるケースは少なくありません。

Q3. 教育現場での仕事だけで生活していくことは可能ですか?

現状では難しいケースが多いです。福祉施設や医療機関での本業を持ちながら、教育現場との連携を副次的に担う形が現実的な選択肢になります。


まとめ

  • 特別支援学校・通級指導教室での指導は基本的に教員が担い、STが直接採用されるケースは限られる
  • STは巡回相談員・専門家チームの一員として、委託契約や兼務の形で教育現場と関わることが多い
  • 福祉施設や医療機関での本業と組み合わせるキャリア設計が現実的
  • 教育・福祉・医療の連携に関心があるSTにとって、専門性を活かせる領域である

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現役医師プロフィール

現役医師(放射線治療科)。大学病院勤務。研修医時代からPT・OT・STとの多職種連携を経験。将来のクリニック開業準備中。リハキャリアガイドの運営・監修を担当。

本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。制度・雇用形態は自治体によって異なり、変動する場合があります。転職に関する個別の判断は、各転職サービスの担当者または各自治体の教育委員会にご相談ください。

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