訪問リハビリに転職した理学療法士の年収実態|回復期との比較と後悔しない選び方
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訪問リハビリに転職した理学療法士の年収実態|回復期との比較と後悔しない選び方
訪問リハビリへの転職を考えるとき、年収はどう変わるのか——多くの PT にとって、最初に浮かぶ疑問の一つです。
「訪問は稼げる」という話も聞けば、「訪問は年収が下がる」という話も聞く。実際のところはどうなのか。曖昧なまま転職すると、「思っていた年収と違った」という後悔につながります。
この記事では、訪問リハビリへの転職の年収実態と選び方を整理します。
この記事の信頼性について
監修: 監修医師(放射線治療科)
大学病院勤務。研修医時代から在宅医療・訪問リハビリの現場を経験。本記事の年収データは各種公開情報をもとにしています。
注意: 年収は事業所・地域・経験年数によって大きく異なります。本記事の数値はあくまで目安です。
訪問リハビリへの転職で年収はどう変わるか
結論:回復期との比較では「横ばい〜微増」が多いが、事業所次第で大きく変わる
訪問リハビリに転職した PT の年収の実態を、複数の公開情報・求人データをもとに整理します。
| 職場タイプ | 平均年収の目安 | 年収の幅 |
|---|---|---|
| 回復期リハ病棟(病院) | 380〜440万円 | 350〜500万円 |
| 訪問リハビリ(病院附属) | 390〜460万円 | 350〜520万円 |
| 訪問リハビリ(独立系事業所) | 380〜480万円 | 350〜550万円 |
| 老人保健施設附属の訪問 | 370〜430万円 | 330〜490万円 |
※2024〜2025年の求人データおよび各種調査をもとにした目安です。
この数字だけ見ると「大差ない」と感じるかもしれません。しかし重要なのは、年収の「額面」だけでなく「実質的な労働条件」との組み合わせです。
訪問リハで年収が上がる条件、下がる条件
年収が上がりやすい条件
1. 1日あたりの担当件数が多い事業所
訪問リハは1件あたりの報酬が決まっており、件数を増やせばそれだけ事業収入が増えます。事業所の収益を担当件数で計算するモデルでは、実績に応じたインセンティブが設計されているケースもあります。
2. 移動効率が高いエリアでの勤務
担当エリアが集中しており、1日の移動時間が短い事業所では、同じ時間内に多くの件数をこなせます。反対に移動距離が長い事業所では、拘束時間は長いが件数が少ない」という状況になりやすいです。
3. 夜間・休日対応がある事業所(手当あり)
訪問リハで緊急対応や休日対応がある場合、それに応じた手当がつく事業所もあります。対応頻度と手当のバランスを事前に確認することが重要です。
年収が下がりやすい条件
1. 移動時間が「業務外」扱いの事業所
訪問先への移動時間をどう扱うかは事業所によって異なります。「移動時間は業務外」として計算する事業所では、実質的な時給が低くなります。
2. 病院勤務時代の「各種手当」がなくなる
回復期病棟の病院勤務では、夜勤手当・住宅手当・扶養手当などが含まれているケースが多い。訪問事業所では、これらの手当が削減または廃止されることがあります。額面の基本給が上がっても、手当込みの総支給では下がることがあるため、「手取りベース」での比較が必要です。
医師から見た訪問 PT の価値:処方に影響する情報力
在宅でのリハビリは、病院の中で「できる動作」をトレーニングするのではなく、「その患者さんの実際の生活の場でできることを増やす」という発想の転換が必要です。
優れた訪問 PT は、以下の情報を医師に持ち帰ってくれます:
- 自宅の玄関・段差・トイレ・浴室の環境
- 家族が実際にどこまで介助できているか
- 患者さんが本当に困っている動作は何か(本人が言葉にしていない場合も含めて)
- 薬の飲み方・体調変化のパターン
この情報は、病院の外来や入院中では収集が難しい。訪問 PT が持ち帰る情報によって、医師の処方が変わります。
在宅での訪問 PT の仕事は、「病院でのリハビリの延長」ではなく「生活の医学」としての専門性を持っています。このことを理解した上で転職する PT と、「病院より楽そうだから」と移る PT では、転職後の仕事の手応えが大きく変わります。
回復期病棟との労働条件比較
年収だけでなく、労働条件全体で回復期と訪問を比べます。
| 項目 | 回復期病棟(一般的) | 訪問リハビリ(事業所による) |
|---|---|---|
| 残業時間 | 月20〜40時間(記録含む) | 月5〜15時間(事業所による) |
| 土日休み | 病棟体制による(土日出勤あり) | 基本土日休み(事業所による) |
| 夜勤 | なし(回復期は原則夜勤なし) | なし |
| 勤務の予見性 | シフト制で不規則 | 担当が固定しやすい |
| 1ケース当たりの時間 | 20分単位(連続処理) | 40〜60分(場合による) |
| 多職種との連携 | 毎日密に | 自発的に動かないと発生しない |
| 孤独感 | 少ない(チームで動く) | 感じやすい(一人で動く時間が長い) |
この比較からわかるように、訪問リハビリは「年収だけでなく生活の質が改善する可能性がある」という点が最大の魅力です。
特に「土日の休み」「残業時間の削減」「勤務の予見性」は、子育て世代の PT にとって年収差以上の価値を持つことがあります。
転職後に「後悔した」パターン4つ
訪問リハに転職して「こんなはずじゃなかった」と感じるケースには、共通したパターンがあります。
パターン1:「一人でやること」の孤独感に耐えられなかった
回復期では同僚と情報共有しながら動くのが当たり前でした。訪問では基本的に一人で判断し、一人で対応します。「何かあったときに相談できる人が近くにいない」という状況に、想像以上のストレスを感じた、という声があります。
対策: 入職前に「定期的なカンファレンスの頻度」「緊急時の連絡体制」を具体的に確認する。
パターン2:移動時間が長すぎた
求人票で「訪問件数1日7件」と書いてあっても、訪問先が広域に散らばっていると移動時間が積み重なり、実質的な拘束時間が回復期以上になることがあります。
対策: 「1日の業務スケジュールのサンプルを見せてください」と担当者に依頼する。
パターン3:記録・書類が減ると思ったら実は多かった
訪問リハでも記録業務は存在します。事業所によっては、複数のシステムに重複入力が必要だったり、報告書の作成が多いケースもあります。「書類が減る」という期待は、事前確認なしに持たない方が良いです。
パターン4:年収が手当込みで下がった
前述の通り、基本給が上がっても手当が削減されて総支給が下がるケースがあります。現在の手当の内訳と、転職先の給与構成を詳しく比べることが必要です。
転職先を選ぶときの5つの確認ポイント
1. 移動時間・移動範囲の実態
担当エリアの範囲と、1日の移動に平均何分かかるかを確認します。
2. 担当件数と業務の実態
「1日最大○件」と「平均○件」は異なります。繁忙期と閑散期の差も確認してください。
3. 緊急対応の頻度と手当
夜間・休日の緊急対応があるか、その場合の手当はいくらかを確認します。
4. 新人へのサポート体制
入職後の同行訪問・教育期間・OJT の内容を確認します。経験3年未満の場合は特に重要です。
5. 給与の「手取り比較」
額面ではなく「手当込みの総支給額」と「控除後の手取り額」で現在の職場と比較します。
訪問リハビリへの転職を相談できるサービス
訪問リハビリの実態情報——移動効率・担当件数・教育体制——を把握できている転職エージェントを選ぶことが重要です。
PT・OT・ST 専門のエージェントは、担当者が事業所を訪問して内部情報を収集しているケースがあります。一般の転職サービスに比べて、訪問リハの「現場の実態」について詳しい情報を持っていることが多いです。
レバウェルリハビリは、医療・介護分野の求人に特化しており、訪問リハ事業所への職場訪問実績も一定数あります。
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各サービスの詳しい比較は以下の記事をご覧ください。
理学療法士転職サイトおすすめランキング【2026年最新】現役医師が厳選した5選
まとめ
- 訪問リハ転職後の年収は「横ばい〜微増」が多いが、事業所の条件次第で大きく変わる
- 年収だけでなく「残業・土日休み・孤独感・移動時間」の総合評価が重要
- 医師の立場から見ると、訪問 PT は「生活の場での専門知識」を持つ重要な連携者
- 転職後悔パターンは「孤独感・移動時間・手当減少」が多い
- 移動範囲・件数・緊急対応・教育体制・手取り金額の5点を事前確認することが必須
訪問リハビリは「病院から出る」ことへの不安より、「生活の場でリハビリを届ける」という仕事の意味が大きい選択肢です。自分の優先事項を明確にした上で、転職エージェントに具体的な希望を伝えることが、後悔しない転職の出発点になります。
監修医師プロフィール
監修医師(放射線治療科)。大学病院勤務。研修医時代から在宅医療・訪問リハビリの現場を経験。リハキャリアガイドの運営・監修を担当。
本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。年収・制度は変動します。転職に関する個別判断は、各転職サービスの担当者にご相談ください。