転職回数が多いリハ職の転職戦略|面接での伝え方と次で止めるための職場選び
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転職回数が多いリハ職の転職戦略
「もう3回目だけど、また辞めたい」
リハ職でこう感じている方は、決して少数派ではありません。そして実は、リハ職は構造的に転職回数が増えやすい職種です。
理由を先に書きます。
- 領域が明確に分かれている(急性期・回復期・生活期・小児・訪問…)。移動が起きやすい
- 単位数ノルマや人員体制が施設ごとに大きく違う。入ってみないと分からない
- 有資格者の需要があり、移りやすい
つまり、回数が増えるのは能力の問題ではなく、環境の当たり外れが大きい職種構造の問題である場合が多いのです。
この記事では、採用側が実際に何を見ているのか、書類と面接での見せ方、そして次で止めるための選び方を整理します。
監修: 現役医師(放射線治療科・大学病院勤務)
医療機関で採用に関わる立場から、書類・面接で見られている点を踏まえて解説しています。
採用側が気にしていること
回数そのものより、次の3点を見ています。
| 見ているもの | 意味 |
|---|---|
| 在籍期間のパターン | 毎回1年未満だと「今回も」と考える |
| 理由の一貫性 | バラバラだと場当たり的に見える |
| 他責かどうか | 全部職場のせいだと「うちも同じ」と思われる |
特に見られるのは「直近」
5年前に短期離職があっても、直近2社で3年ずつ続いていれば問題視されにくいです。逆に、直近が半年で辞めていると、その前の実績は霞みます。
採用側は「これからどうか」を予測したいのであって、過去を裁きたいわけではありません。
リハ職は「領域移動」なら説明がつく
ここがリハ職の強みです。
急性期 → 回復期 → 訪問という移動は、キャリアの積み上げとして説明できます。「逃げた」ではなく「経験の幅を広げた」と読めるからです。
問題になるのは、同じ領域内で短期離職を繰り返している場合です。この場合、環境の問題より本人の適応の問題が疑われます。
職務経歴書での見せ方
1. 経歴の羅列で終わらせない
❌ 「〇〇病院 2023年4月〜2024年3月 リハビリテーション科」
⭕ 「〇〇病院 回復期リハビリテーション病棟(60床/PT8名) 脳血管疾患・大腿骨頸部骨折を中心に担当。1日18単位。 自宅退院に向けた家屋調査・住環境整備の提案を担当。」
期間の短さより、中身の密度で勝負します。
リハ職の場合、担当した疾患群・単位数・施設規模を書くと、経験の解像度が一気に上がります。採用側が「何ができる人か」を判断しやすくなります。
2. 一本の線でつなぐ「軸」を作る
複数の職場を貫くテーマを1つ決めてください。
- 「急性期から生活期まで、経過を通して見られる力」
- 「呼吸器領域を軸に、病期を変えて経験を積む」
- 「小児から成人まで、発達の視点を持つ」
この軸があると、転職が「逃げ」ではなく「積み上げ」に見えます。
軸は後から作って構いません。実際の動機がその都度違っていても、振り返って一貫性を見出すことは嘘ではありません。
3. 会社都合・不可抗力は明記する
- 「事業所の閉鎖に伴う」
- 「法人の統合に伴う」
- 「契約期間満了により」
書いておかないと自己都合と見なされます。 1行足すだけで印象が変わります。
4. 短期離職は説明を添える
「※入職前の説明と実際の単位数・業務内容に相違があり、短期での退職となりました」
書類に一言添えておくと、面接で不意打ちになりません。
書類の書き方はリハ職の履歴書・職務経歴書の書き方をご覧ください。
面接での伝え方
基本の型
① 各転職を短く(1社あたり15秒程度)
↓
② 全体を貫く軸を提示
↓
③ だからこの職場を選んだ(志望動機に接続)
1社ずつ丁寧に説明しないでください。時間を使うほど、回数の多さが強調されます。
実際の言い方の例
「これまで3施設を経験しております。1施設目の急性期で全身管理とリスク管理の基礎を、2施設目の回復期で目標設定と退院支援を、3施設目の訪問で生活場面での実践を学んでまいりました。
共通しているのは、患者さんが生活に戻るまでを一続きで見たいという関心です。
御院は急性期から在宅支援まで一貫して担っておられると伺い、これまでの経験を統合できると考えて志望いたしました」
3施設を30秒で説明し、軸と志望動機に時間を使う——この配分が理想です。
「なぜ続かなかったのですか」と聞かれたら
他責にせず、次への対策を示すことがセットです。
「入職前の確認が不十分だったことが大きな要因だと考えております。単位数や記録の時間について、自分から踏み込んで確認できていませんでした。
今回は事前に見学をお願いし、1日の流れと平均単位数についても確認させていただいたうえで応募しております」
自分の改善点を1つ挙げると、それだけで印象が変わります。
面接全般はリハ職の転職面接対策にまとめています。
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次で止めるための職場選び
ここがもっとも重要です。伝え方を磨いても、同じ理由でまた辞めたら意味がありません。
まず「なぜ辞めたか」を分解する
| 辞めた理由 | 切り分け |
|---|---|
| 単位数ノルマがきつかった | 施設固有 → 単位数の緩い職場を選べば解決 |
| 記録が毎日残業だった | 体制 → 記録時間が確保された職場なら解決 |
| リハ科長と方針が合わなかった | 人 → 転職で解決しうる |
| 患者と深く関われないのがつらい | 領域 → 生活期・訪問なら解決しうる |
| 身体的にきつい | 職種そのもの → 領域を変えても限界がある |
最後のケースだけは、臨床の中で解決しにくいものです。この場合、企業・福祉用具・管理職・教育職といった、身体負荷の少ない方向を検討したほうが現実的です。
企業で働くリハ職、リハ職の管理職(リハ科長・主任)へのキャリアアップも参考にしてください。
応募前に必ず確認すること
短期離職を繰り返している場合、確認を省いた分だけリスクが上がります。
- 1日の平均単位数(目標ではなく実績)
- 記録・カンファの時間が勤務時間内に確保されているか
- リハ職の人数と、職種構成(PT/OT/STの比率)
- 残業の実態(月平均と繁忙期)
- 前任者がなぜ辞めたか(聞ける雰囲気なら)
- 教育体制と、独り立ちまでの期間
- 実習指導・委員会の負担
- 異動の可能性と範囲
単位数の確認方法はリハ職の「単位数ノルマ」問題で詳しく整理しています。
そして、必ず見学に行ってください。 できれば夕方の時間帯を希望すると、忙しい時間の様子が見えます。
エージェントには回数を隠さない
転職回数が多いことをエージェントに隠すメリットは何もありません。 隠すと、また合わない職場を紹介されます。
正直に伝えたうえで、
「同じ理由で辞めたくないので、単位数18以下・記録時間が勤務内に確保されている職場だけ紹介してください」
と言えば、その条件で探してくれます。回数が多い人ほど、条件を具体的に伝えることの価値が高いです。
転職サービスをまだ決めていない方へ
リハ職は職種によって強いサービスが違います。理学療法士(PT)/作業療法士(OT)/言語聴覚士(ST)、それぞれのランキングで医師目線の比較基準を整理しています。
まとめ
- リハ職は領域が分かれ、施設差が大きい構造上、回数が増えやすい職種
- 採用側が見ているのは在籍期間のパターン・理由の一貫性・他責かどうか
- 直近の在籍期間がもっとも重視される
- 領域移動なら説明がつく。問題は同じ領域内での短期離職の繰り返し
- 職務経歴書には担当疾患群・単位数・施設規模を書いて解像度を上げる
- 複数の転職を貫く「軸」を作る。後から見出して構わない
- 面接では1社15秒で流し、軸と志望動機に時間を使う
- 「なぜ続かなかったか」には自分の改善点を1つ添える
- 辞めた理由を施設固有か、職種そのものかに切り分ける
- エージェントに回数を隠さない。条件を具体的に伝える
転職回数は、説明できる形に整理した瞬間に、経験の幅という強みに変わります。
リハ職は特に、複数領域を経験していること自体が価値になる職種です。大事なのは、次で止めること。そのために、応募前の確認だけは省かないでください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。採用基準は施設によって異なります。勤務条件については応募前に必ず求人票および施設への確認を行ってください。