親の介護とリハ職の仕事を両立する|使える制度と働き方の変え方

読了目安: 約13分

本記事はアフィリエイト広告を含みます。紹介するサービスの選定は、医師としての知見と独自の評価基準に基づいており、広告掲載の有無が評価に影響することはありません。詳しくは広告掲載ポリシーをご確認ください。

先に結論だけ知りたい方は 理学療法士(PT)の転職サイトランキング をご覧ください。

本記事はアフィリエイト広告を含みます。 掲載サービスの一部に広告リンクを使用しています。掲載順位・評価は広告の有無に関わらず、医師としての独自基準と公開情報・口コミに基づいて決定しています。

親の介護とリハ職の仕事を両立する

親の介護は、ある日突然始まります。準備する時間はありません。

そしてリハ職には、他職種にはない特有の負荷がかかります。

「リハビリの専門家なんだから」と、家族全員から当然のように期待されることです。移乗も、歩行介助も、住環境の判断も、福祉用具の選定も——全部できてしまうから、全部やることになります。

この記事では、使える制度、働き方の選択肢、そしてリハ職が陥りやすい罠を整理します。

監修: 現役医師(放射線治療科・大学病院勤務)
医療・介護の連携に関わる立場から、制度と現場の実際を整理しています。


まず知っておきたい制度

「両立できないから辞める」と判断する前に、使える制度を確認してください。知らないまま辞める人が非常に多いのが実情です。

介護休業

項目内容
期間対象家族1人につき、通算93日
分割3回まで分割して取得できる
対象家族配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫
給付介護休業給付金(雇用保険から支給される)

重要なのは、93日は「自分で介護する期間」ではないということです。

この期間は、介護の体制を組み立てるための時間として設計されています。要介護認定を受け、ケアマネジャーを見つけ、サービスを手配し、家族で役割を分ける。そのための時間です。

「3回に分割できる」という点も実用的です。入院・退院・施設入所といった状態が変わるタイミングごとに使うという考え方ができます。

介護休暇

項目内容
日数対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日
単位1日単位・時間単位で取得可能
用途通院の付き添い、手続き、ケアマネとの面談など

時間単位で取れるのがポイントです。リハ職は予約が入っているため丸1日休みにくいですが、「午前だけ」なら調整しやすい場合があります。

勤務時間の調整に関する措置

事業主には、介護をする労働者のために、短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護費用の助成のいずれかの措置を講じる義務があります。

さらに、所定外労働(残業)の免除や深夜業の制限を請求できます。

リハ職にとっては「所定外労働の免除」が決定的に効きます。 記録が時間外になる構造を、制度として断てるからです。

単位数と記録時間の関係はリハ職の「単位数ノルマ」問題で整理しています。

2025年からの変更

育児・介護休業法の改正により、事業主が介護に直面した労働者に対して、制度を個別に周知し、利用の意向を確認することが義務化されています。

つまり、職場から説明があるのが当たり前になりました。説明がなければ、こちらから確認して構いません。

⚠️ 制度の詳細や適用条件は改正されることがあります。必ず勤務先の担当部署と、お住まいの自治体・ハローワークで最新の内容をご確認ください。


リハ職が陥りやすい3つの罠

罠1:「専門家だから自分がやる」と抱え込む

リハ職は、介護の技術を持っています。

  • 移乗介助、歩行介助が安全にできる
  • 住環境のどこが危険か一目で分かる
  • 福祉用具の適否を判断できる
  • 自主トレメニューを組める
  • ADLの変化に早く気づける

だからこそ、「自分がやったほうが早いし安全」と考えてしまいます。そして家族も「あなたがいるから大丈夫」と言います。

しかし——仕事でリハビリをするのと、実の親を介護するのはまったく別の営みです。

  • 24時間、切り替えるタイミングがない
  • 感情が入るため、冷静な評価が難しくなる
  • 「できるはず」という自己期待が、休むことを妨げる
  • 職場でも身体を使い、家でも身体を使う

最後の点はリハ職に特有です。身体的な負荷が二重になります。 腰痛を抱えたまま介護に入り、悪化するケースは実際にあります。

できることと、やるべきことは違います。 訪問リハや通所を導入して、第三者のリハ職に見てもらうほうが、結果的に良い場合が多いです。

親を客観的に評価するのは、家族には難しいことなので。

罠2:ケアマネジャーの領域まで判断しようとする

医療の知識があるため、ケアプランに意見が言えます。それ自体は良いことです。

しかし、介護保険の制度、地域の事業所の実情、家族支援のノウハウは、ケアマネジャーの専門領域です。任せるところは任せてください。

罠3:職場に言わない

「担当患者さんがいるから休めない」「予約が入っているから」——こう考えて黙る方が多くいます。

しかし、伝えなければ制度は使えません。そして限界まで黙っていると、ある日突然辞めることになります。職場にとっても、そのほうが困ります。

早めに伝えておくと、

  • 予約の組み方を配慮してもらえる
  • 単位数の目標を調整してもらえる可能性がある
  • 実習指導の担当から外してもらえる
  • 突発的な休みへの理解が得られる

「介護があるので、今後シフトと予約の相談をさせてください」の一言から始めれば十分です。


担当患者との折り合い

リハ職ならではの葛藤があります。担当している患者の途中で、時間を減らすことへの後ろめたさです。

ここはリハ職の退職理由の伝え方でも書いたことと同じです。

担当が替わることで良い方向に進むケースは、実際にあります。 別の視点で評価され、新しいアプローチが見つかることもあります。

そして——消耗しきった状態で担当を続けることが、患者のためになるとは限りません。 評価の精度も提案の質も、余裕のない状態では落ちます。

引き継ぎを丁寧に行う。それが最大の誠意です。


求人を実際に見ながら考えたい場合は、当サイトのランキングで1位に挙げているレバウェルリハビリが起点にしやすいです。レバレジーズグループが運営し、担当者に職場の内情まで聞けます。17,000件以上の施設取材をもとに、職場の良い点も大変な点も事前に知ることができます(施設取材数は、運営会社が対面またはオンラインでヒアリングし、取材記事を求人に公開している件数。2026年10月時点の公式サイトより)。登録・相談は無料です。

レバウェルリハビリの求人を見る(無料)

登録する前に評判を確かめたい場合は、良い口コミと気になる口コミを「レバウェルリハビリの評判・口コミ」にまとめています。

働き方の選択肢

① 今の職場で調整する

まず検討すべき選択肢です。転職より負担が小さいためです。

  • 所定外労働の免除を請求する(記録の時間外化を断つ)
  • 短時間勤務の措置を利用する
  • 単位数の目標を調整してもらう
  • 法人内での部署異動(病棟 → 外来、あるいは訪問 → 施設内)

法人が複数施設を持つ場合、実家に近い施設への異動という選択肢もあります。

② 時間の読める職場へ転職する

職場特徴
通所リハ・デイサービス時間が読みやすい。半日勤務の枠もある
クリニック(整形外科)予約制で終業時刻が比較的読める
介護施設(機能訓練指導員)単位数のプレッシャーが低い
児童発達支援・放課後等デイ午後中心。午前を介護に使える
訪問リハ件数調整はしやすいが、緊急対応が発生しうる

訪問は「自分で件数を調整できる」という利点がある一方、利用者の状態変化への対応が突発的に発生します。介護と重なると読みにくさが増すので、慎重に検討してください。

通所リハ(デイケア・デイサービス)のリハ職転職、介護施設のOT・PT転職も参考にしてください。

③ パート・非常勤に切り替える

時間のコントロールを最優先する選択肢です。

ただし社会保険や扶養の基準が2026年に変わっているため、制度を理解したうえで設計してください。詳しくは扶養内で働くリハ職をご覧ください。

④ 複数事業所の非常勤

リハ職は非常勤の掛け持ちがしやすい職種です。「今月はこの事業所だけ」という調整ができるのは利点です。

リハ職のフリーランス・副業という選択肢も参考にしてください。


介護離職は最後の手段に

厚生労働省も繰り返し発信していますが、介護を理由に仕事を辞めることは基本的に推奨されていません。

  • 収入が途絶える(介護には費用がかかる)
  • 社会とのつながりが切れ、介護者が孤立する
  • 介護が終わったあと、同じ条件で復職できるとは限らない
  • 年金・社会保険の面でも不利になる

リハ職は資格職なので復職しやすい職種です。ただし、ブランクが長引くほど戻るハードルは上がります。復職の実際はブランクのあるリハ職の復職ガイドで整理しています。

順序は「制度を使う → 働き方を変える → それでも無理なら」です。


実務的にやっておくとよいこと

1. 要介護認定の申請を早めに

サービスを使うには認定が必要です。申請から認定まで時間がかかるため、「まだ大丈夫」と思う段階で動くのが正解です。市区町村の窓口または地域包括支援センターへ。

2. 訪問リハ・通所を早めに導入する

これはリハ職だからこそ、あえておすすめします。自分で全部やろうとせず、第三者のリハ職に入ってもらってください。

理由は3つ。

  • 親を客観的に評価するのは、家族には難しい
  • 自分の身体的負荷を減らせる
  • 専門職の目が定期的に入ることで、変化に早く気づける

「自分でできるから」という理由で導入を遅らせるのは、もっともよくあるパターンです。

3. 住環境整備は早めに、そして自分でやりすぎない

手すりの位置や段差の解消は、リハ職なら判断できます。ただし福祉用具専門相談員やケアマネと一緒に進めてください。介護保険の給付対象になるかどうかの判断は、彼らの領域です。

4. 兄弟姉妹と役割を決める

「リハビリの専門家だから」で全部が集まる構造を、早い段階で崩してください。お金を出す、手続きをする、通うという役割分担を明確にしておくと後が違います。

5. 自分の腰を守る

リハ職にとって、これは死活問題です。職場でも介護でも身体を使えば、腰痛のリスクは確実に上がります。

移乗は福祉用具を使う。無理な姿勢を取らない。 職場で患者に指導していることを、自分の家でも実行してください。

転職サービスをまだ決めていない方へ

リハ職は職種によって強いサービスが違います。理学療法士(PT)/作業療法士(OT)/言語聴覚士(ST)、それぞれのランキングで医師目線の比較基準を整理しています。


まとめ

  1. 介護休業は通算93日・3回まで分割可能。自分で介護する期間ではなく、体制を作る期間
  2. 介護休暇(年5日/10日)は時間単位で取れる
  3. 所定外労働の免除を請求できる。記録の時間外化を制度として断てる
  4. 2025年から事業主による制度の個別周知・意向確認が義務化されている
  5. 罠その1:「専門家だから」と抱え込む。訪問リハ・通所を早めに導入する
  6. 罠その2:ケアマネジャーの領域は任せる
  7. 罠その3:職場に言わないと制度は使えない
  8. 担当患者への後ろめたさは、引き継ぎの質で返す
  9. ⚠️ 職場でも家でも身体を使うと、腰痛のリスクが二重になる。自分の腰を守る
  10. 順序は「制度を使う → 働き方を変える → それでも無理なら」

介護は、頑張る量ではなく体制の作り方で決まります。

そしてリハ職は、その体制を設計する力を持っている人たちです。評価して、必要な資源を組み合わせて、無理のない形にする——普段患者にやっていることを、自分の家族に適用してください。

ただし、実行する人は自分でなくていい。 そこだけは間違えないでください。


本記事は2026年9月時点の一般的な情報提供を目的としたものです。制度の要件・給付内容は改正される場合があり、個別の適用可否は状況により異なります。実際の手続きについては、勤務先の担当部署、ハローワーク、お住まいの市区町村・地域包括支援センターにご確認ください。

結局どのサービスを選べばいいか迷ったら

現役医師が独自基準で比較した職種別の最新ランキングをチェック

関連記事